大寺さんの裁判 

プール事故

『あぶないプール』の中で触れている排水口事故のうち、#51鹿児島・金峰町田布施小学校での事件の被害者大寺浩然君の両親が事故原因を追及した裁判判決が98年2月20日鹿児島地裁でありました。

 その判決内容はひどいもので、過失相殺4割とし、穴に吸い込まれた被害者が悪いかのようなものです。判決には排水口の危険性を放置した学校当局や教育委員会当局の責任はほとんど認めていません。
 裁判長の子どもが死んでいたら、はたして同じ判決であったでしょうか。現地検証も行い、穴の放置を確認しておきながら、事故責任を正確に把握できなかったのは残念です。浩然君の無念を晴らし、自らも納得のいく幕引きを期待していた大寺さん夫婦にとっては、とても疲れる判決でしたが、大寺さんらの文部省交渉や裁判提訴が排水口問題の全国的解決を一気に進めたことを私はして忘れません。