PowerWall

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つい先日、テスラが従来品価格の3分の1で家庭用バッテリーを発売するというニュースが流れていました。ホンマでっか? 拙宅でもバッテリーを設置予定なので余計に気になります。
テスラのサイトをチェックしてみると、バッテリーのみでインバーターなし。つまり、そのままでは使えません。それにしても、この価格は驚きです。今回はソーラーやバッテリー関連の話題です。

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テスラとは米国のテスラ・モーターズのこと。知る人ぞ知る電気自動車のパイオニア。経営者のイーロン・マスクの名前を聞かれた人もいるでしょう。その彼が今度は家庭用バッテリーに乗り込んでくるというのです。

テスラのサイトによると、発売されるバッテリーの名前はPowerWall、10kWhで$3500、7kWhで$3000というもの。日本における家庭用蓄電池の価格の3分の1以下のようですから(注)、かなり安い値段になっています。

powarwall

なぜそんなに値段が安いのか、そのままソーラーパネルに接続できるのか。そもそも日本で使えるのか。いろいろ気になったので、テスラのサイトをチェックしてみました。

まず判明したのは、この製品はバッテリー本体のみ。つまり、ソーラー発電で得られた直流(DC)をそのまま貯えるだけです。交流(AC)への変換回路がありませんので、家庭内の電気にするのはDCAC変換を行わなければなりません。そのインバーター設備を加えると価格は従来品の3分の1ではなく、約半分くらいになりそうです。また、商用電力との調整を考慮すると装置をシステム化しなければならず、そのコストまで含めると価格的にどれだけ有利なのか分かりません。

また、日本での利用については難問多し。第一に蓄電圧が高く、日本で使うにはインバーター自体も従来品は使いづらい。さらに認証とか面倒な手続きを考えると、ちょっと無理そうな感じです。結論として単純に価格を比較するのは無理筋だなぁと思う次第。

ただ、バッテリー本体をこんな価格で出してきたのはなかなか挑戦的です。おそらく、今回の値段の安さは電気自動車で培った技術というより、テスラのマーケット戦略なのでしょう。

云うまでもなく、ソーラー発電と家庭用バッテリーをうまく利用すれば、私たちの生活を商用電力から独立させることができます。拙宅にも来月頃までには6kWH級のバッテリーがやってくるため、近いうちに商用電力を買わない生活ができるでしょう。そんな例もバッテリーの値段が大幅に下がってくればどんどん増えるはず。つまりそれは、原発推進に勤しむ電力会社との縁切りに繋がります。

長期間の稼働が可能な、かつ手に届く価格の家庭用バッテリーの登場で、30年前、20年前に比べると脱原発に向けてのイメージは具体的に見えるようになりました。まだまだ技術は発展するでしょうし、価格もさらにドロップするのでしょう。テスラにも目が離せません。

(注)これはバッテリー単体での比較。システム価格でみると話は違ってきます。また、日本での価格は途中に代理店などが複雑に入り込むのではっきりしません。