TV朝日からの取材要請でミルウォーキーへ

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 97年7月某日、TV朝日のY課長から電話があり、クリプトスポリジウム感染のことで是非お話を伺いたいとのことでわざわざ有田の住む滋賀県大津まで出向いて来られました。JR駅前の喫茶店であれこれ話をするうちに、Y氏の目的がTVの取材であることが判明。厚生省やその周りにいる研究者の話にはおかしな点があること等を指摘していると、一度きちんと番組を作りませんかとの申し出があり、こちらの要望を企画に活かていただけるのならという条件でオッケイしました。

その次の週、TV局内での企画会議でYさんの意向が通ったらしく、どうせなら40万人もの感染者を出したミルウォーキーの取材をやりましょうとのことで制作会社のアスコムのLさんらと米国へ。Yさんの方は越生町等を国内取材。加えて厚生省や関連研究者へのインタビューを組み入れて、9月7日にサンデープロジェクトの特集として報道されました。この番組の評判はよく、放映後の効果もなかなかのものがあったのですが、それはそれとして、TV番組を作ることの楽しさ面白さだけでなく、怖さみたいなものも感じました。
ミルウォーキーの取材でわかったことは、日本の厚生省がきちんと現地調査していなかったこと、水道関係者の調査もおざなりで車で2時間以上も離れた場所(保養地)に宿をとるなど不審な点があったこと、厚生省の報告書にいう死者400人には全く根拠がないこと(ミルウォーキー担当者は日本でのデタラメ数字の独り歩きにマユをしかめていました)、日本の関係者がクリプトスポリジウム事件を感染症対策としてきちんと把握していないこと等です。これらの一部についてはTVで批判しましたが、いずれ詳しいものをどこかに書く必要がありそうです。<といいつつ、もう1年もさぼっています(98年8月現在)