SMBG 1: 測定のバラツキ

.Lowcarboあるいは糖質制限 SMBG

既に触れた通り、自分で血糖値を測ることをSMBG(自己血糖測定:Self Monitoring Blood Glucose)と云い、そのために使う簡易測定器がいろいろと出回っています。値段もそれぞれですが、一番の問題は測定センサーのコスト。私の知る限り、今一番安いコストで測定できるのはニプロのTRUEpico でしょうか。

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smbg私が最初に使ったのはバイエルのアセンシアでした。2006年のことです。採取する血液の量が多めなので痛く感じることが多く、糖質制限を開始した2012年末にロシュのアキュチェックアビバナノに変更。こちらは採取血液量が少なくてもオッケイです。

問題はコスト。測定器は一度購入すればいいだけですが、測定用センサーは一回当たり100円〜130円くらいのコストになるため、毎日1回測るケースでも月3000円〜4000円、1年間でみると4万円前後となりバカになりません(保険適用の3割負担でも1万円強、日に3回なら3万円!)。ちなみに、私は糖尿病という診断がない予備群なので全額自己負担。健康のためとはいえ懐が寂しくなってきます。

そんな中、昨年ニプロが非常に安価な測定器と専用センサー、TRUEpicoを販売開始。江部医師のサイトで紹介されていたのでチェックしてみると、測定器が3500円で専用センサーは30枚で2940円。一枚(一回)当たり98円ですから、競合品の中では一番安いです(アビバナノなら1回当たり115円)。


今回これを入手してアキュチェックアビバナノとの比較を行いました(注)。以下の図がそれです。

SMBGa

横軸はニプロのTRUEpicoで測定した血糖値で、縦軸がアビバナノで測定したものです。起床時のデータだけでなく、食後1時間値や2時間値なども測定して双方のデータを比較してみました。

双方が45度の傾きを持つ線上にあれば同一の値を出してきたことになりますが、この図を見るとアビバの方が高めに出たり低めだったり、いろいろです。どちらも+-15%程度の誤差があると提示されているので、データのバラツキは測定誤差によるものだと考えられます。

双方の測定器で使われている測定方法はどちらもGDH(グルコースデヒドロゲナーゼ)法ですが、反応させる酵素が異なり妨害物質や温度影響などが違うため、それがデータの違いになっているのかもしれません。

こちらとしては血糖値が低い方が気分がいいので、ニプロのTRUEpicoをもう1台手に入れて機器の個体差をチェックしてみたのが以下の図です。

SMBGb

データ数がまだ少なめなので断定はできませんが、測定原理は同一ですからデータのばらつきは測定誤差だと考えれば、まぁ数値的にはほぼ同じ。どの機器を使っても測定誤差の範囲にあるみたいなので、測定コストが安いニプロのTRUEpicoの方がベターではないかと考える次第。

かくして、測定マニアの私は毎日SMBG(自己血糖値測定)に取り組んでいます。

(注)使い勝手はアビバナノの方が私の好みです。アビバナノは操作時にビープ音を出してくれるので便利ですが、ニプロのTRUEpicoは音なしで素っ気なく、時刻表示もありませんので過去データの管理がもう1つ。安いのには訳がある、ということでしょうか。