森さんの版画

一泉庵

 長野県の更埴、杏子の里に森獏郎さんという版画家あり。棟方志功さんの流 れを組む作家さんです。黒姫高原・ふふはり亭の南さんに誘われて、自宅兼展 示館の版画館を最初に訪れたのは97年春でした。可憐な杏子の花が咲く頃でした。

 20日ペンションふふはり亭に泊っていたら、その森さんが展示会をされるという 話を聞き、南さんの案内で更埴までえっちらほらと出かけてきました。更埴の 文化センターには過去の作品を一堂に集めて展示するとともに、近くの西沢書 店2Fで販売も行うという2本立て。

 来年の版画カレンダーを注文するにも目的 のひとつでしたが、文化センターにいらした森さんに、突然連れ合いが「雀の 子」の版画はもうありませんかと言いだしたのでびっくり。「雀の子」とは、例の 「われと来て 遊べや親のない雀」を描いたもの。皆さん、この句からどんなイメ ージを連想しますか?森さんが描いたのは従来のイメージを全く払拭していま す。そこが凄い。後日手元に届いたら写真でもとって、紹介するとしましょう。
さて、森さん、連れ合いの突然の質問に展示品のストックの中からガサコソと 探しだし、あったあったと応答。これで森さんの版画、3つ所有することになりま した。見ているだけで心和やかになる絵や版画って、とっても素敵です。