一番寒い日と自然暦との関係

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自然暦が季節感を感じるのに適していることは既に触れた通り。今回はデータを用いて、そのことを示してみましょう。通常の西洋暦に比べて自然暦の方が寒さの感じをより正しく伝えてくれることがわかるはずです。…




拙宅では記録式温湿度計を7カ所14点に設置して、15分毎にデータを採っています。そのデータから、毎年の一番寒い日を上げてみると以下の通りです。

最低気温
2000年 -1.0度C(2月08日)
2001年 -2.3度C(1月16日)
2002年 -2.1度C(1月02日) *1
2003年 -3.5度C(1月30日)
2004年 -1.8度C(1月23日) *2
2005年 -2.5度C(2月02日)

(注記)*1:1日だけ急に低下。1月末から2月初旬にかけて0度C~1度Cの気温が続いた。*2:温度計トラブルで2月期のデータ欠損。

これから、1年で一番寒い日は1月中旬から2月初旬にかけて発生することがわかります(拙宅の場合。2002年の突発的な低下は除外)。毎年ばらばらではないかと思われるかもしれませんが、これに自然暦(旧暦)の1月1日を重ねてみるとどうなるか。

最低気温と1月1日との関係は? 
気温(発生日) 自然暦1/1相当日 
2000年 -1.0度C(2月08日) 2月05日 
2001年 -2.3度C(1月16日) 1月24日
2002年 -2.1度C(1月02日) 2月12日
2003年 -3.5度C(1月30日) 2月01日
2004年 -1.8度C(1月23日) 1月22日
2005年 -2.5度C(2月02日) 2月09日

どうです? 年によって差はありますが、ほぼ暦の1月1日近辺に最も寒い日が発生していますね。これは偶然でしょうか? 琵琶湖の回りの気温変化だけの話なのでしょうか?

私にはよくわかりませんが、節句を設けて春の訪れを予想した自然暦の方が、拙宅での季節の変化をストレートに伝えていると云っても過言ではないと考えています。つまり、新年の訪れや寒さの厳しさは自然暦の12月末から1月にかけてやってくると考えておけばよいからです。西洋暦よりもずっと正確ではないでしょうか。

そういえば、忠臣蔵つまり赤穂浪士の討ち入りである1702年12月14日は雪でした。これは当時の暦の話なので、現在の暦に換算すれば1703年1月30日。先の話でもわかるように、この辺りは1年で最も寒い季節ですし、当日は満月ですから、大石らは雪明かりのある寒い日を討ち入りに選んだというわけでしょう。

今年も天気予報では「2月で立春になってもまだ寒い」などと云っていましたが、自然暦を知る者からすれば、何を愚かな説明であることか。一番寒い時期から暖かくなるその期先を春とした先人の知恵をまず知るべし、といいたいのであります。