公明党のDNA

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二十世紀を読む (中公文庫)公明党が集団自衛権容認の方向に舵をとった・・・と報じられています。公明党は「平和の党」だから反対だと地方支部が声を上げているという報道もありましたが、自公合意は当初からの出来レース。だって、公明党創価学会の拠り所である日蓮宗は、先の日本軍国主義の思想的根幹だったから。最近丸谷さん&山崎さんの本を読んで、そのことをよく理解できました。(追記)7/1朝 自公与党で閣議決定。WC杯などのドサクサを念頭に置いた出来レースの完成でした。

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八紘一宇という言葉があります。天皇の下に世界を1つにするという意味で、要するに天皇による世界征服。これを言い出したのは田中智学という人物で、明治から昭和の、日本が侵略戦争に勤しんでいた時代のこと。この田中が日蓮宗と日本の軍国主義を結びつけた張本人です。

彼は1914年に国柱会を組織し、日蓮主義に基づく侵略主義的国体論を打ち立てます。それに同調したのが、北一輝や満州事変を画策した石原莞爾、あるいは5.15事件や2.26事件の将校らでした。また、満州国の建国会議の写真には壇上に「南無妙法蓮華経」という垂れ幕がかかっていたとのこと。満州国の建設と日蓮宗が分かちがたいことの証拠です(日蓮宗のみが軍国主義を煽ったということはありません、念のため)。

先の本の中で丸谷才一さんは、田中智学の国体論は「天皇制のほめ殺し的収奪」と喝破していますし、山崎正和さんといっしょに「日蓮的なもの」と「親鸞的なもの」を両端に置いて日本人の精神風土を分類したり、なかなか興味深い分析をされています。
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ついでながら、宮沢賢治も国柱会の会員で、「雨にも負けず・・・」の最後の1行は「南無妙法蓮華経」だったのを、日蓮色を隠すために後の人たちが隠し書き換えたとのこと。知らんかったなぁ。

とにかく、日蓮宗をベースにする公明党創価学会が「平和の党」などというのは主義主張上のマヤカシなのではないでしょうか。強いていえば平和云々は戦後の話であって、それまで軍国主義だった新聞や教師らが反戦とか平和をいうのといっしょ。状況次第では一変するようなスローガンでしょう。

政教分離の件で首相補佐顧問の飯島某に公明党が脅された等と報じたメディアがありましたが、世界征服のDNAの方を考慮するなら、今回の「合意」は出来レースにしか過ぎません(もし自公が合意しないというのであればハッピーですので、喜んで本稿書き換えます

状況はどんどん悪化してきました。個別自衛権については根本的な議論を深めるべきだと私は思いますが、集団的自衛権はドンパチしたい連中の言い訳にしか過ぎません。心して事態の成り行きを見ていきましょう。

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